If...Paro...
□もしもシリーズ第三弾!
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そこはおとぎの国でした。メルヘンチック過ぎじゃない!?と言っても過言ではありません。森には彩りの木々、色鮮やかなキノコや植物が生えています。
森の中に、ある一人の少女がいました。頭に大きなリボンをつけ、フリフリのエプロンドレスを着ています。
「ちょっと、エリンちゃん。前に進まなあかんので」
エリンと呼ばれた少女は、声を掛けられて顔を上げました。
「でも、ユーヤン。この植物見た事がないの」
ユーヤンと呼ばれた少女は呆れた表情になります。彼女の頭には猫耳が生えています。そう、彼女はチェシャ猫でした。
ユーヤンはエリンを“ある場所”まで案内するつもりが、彼女があまりにも熱心に植物を観察しているので中々先に進めずに居ました。
「そんなのは後で見れるんやから、さっさとウサギ追い掛けるで!」
「でも…」
「でもやあらへん!ほら行くで、エリンちゃん!」
ユーヤンはエリンを引っ張りました。エリンは後ろ髪が引かれながらも、ユーヤンの言う通りに前に進みました。