If...Paro...

□もしもシリーズ第一弾!
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エリンは買い物をするために町を出向いていた。様々なものが並んでいる。食べ物の焼きたての良い匂いが漂い、店の主人が客を呼び込む声が聞こえる。


ふと見知った顔が脇を通りかかった気がした。私は一瞬気のせいかと思ったが、いつの間にかその人を追っていた。近付くと思った通りだった。



「イアル?」


突然話し掛けられた人物、イアルは声に振り向くと目をしばたかせてエリンを見た。


「…エリンさん」


まさか居るとは思っていなかった。イアルは微かに速くなった動悸を悟られぬよう、連れであるカイルの方を見た。

しかしカイルは傍にいなかった。遠くに行ってしまっている。どうやら、自分が立ち止まったことに気付いていないようだ。


「イアルもお買いもの?」

エリンはイアルの手に提げている籠を見て尋ねた。


「いえ、友の付き添いに来たんです」

「そうなんだ。えっと、友達は…」


エリンはイアルの友達を見ようと辺りを見渡す。だが、それらしき人物が周りにいない。キョロキョロと見渡しているエリンを見たイアルは苦笑しながら言った。


「どうやらはぐれたようです」
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