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□私はイアルを愛す
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彼の家で住むようになってから、初めての雪の舞う季節となった。
朝、目覚めると不思議に思った。異様に外が明るい。寒さで凍えそうな体に毛布を羽織って外を見た。
「わぁ…」
真っ白な雪が一面に降り積もっていた。
彼を起こして、雪の事を伝えると微かに笑われた。
「まるで子供がはしゃぐようだな」
「私はまだ子供なんです」
と意地悪そうに言い、二人で顔を見合せて笑った。
外に行くと、他の小さな子供達が雪だるまを作っていた。
「イアルさん。雪だるまを作りません?」
「雪だるまか…久しぶりだな」
彼は苦笑をし、雪の球を作って雪の上に転がす。私も一生懸命にするけれど、彼みたいに上手く作れない。二つを合わせると歪な雪だるまが出来た。
「…思ったよりも難しいですね」
「もう一個作るか?」
彼の優しい眼差しと合い、雪で冷たくなった手が触れた。
雪だるま作業を再開し、再び作ってみれば最初よりはまともな雪だるまが出来た。
「次は上手く…」
白い羽が空から舞い降りてきた。冷たく、手で触れると溶けてしまう羽。