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□君は誰に涙を見せるんだろう
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今、俺達は目の前で死にかけている王獣に付きっきりで見守っている。この王獣は俺達が世話をする最後の王獣でもある。

俺達は教師になった。次に王獣達の世話をするのは次世代の子供達の番だ。


夜通しだから危うく瞼が落ちそうになるが気は抜けない。交代したエリンは真剣に体調の具合を確かめている。

この王獣は既に年老いており、王獣舎で暮らす王獣の寿命以上に生き延びた。

この王獣を一番世話したのは俺とエリンだと言っても過言ではない。

『世話をする王獣の最後の姿を見届けたい』

そう言ったのは俺で、本当は見届けれるかどうか分からなかった。

カザルムへの「真王様と大公様の訪問」と重なったからだ。

教導師達はエリンを話に参加させようと思っていたらしく、最初は渋ったが、エリンが誰よりも王獣に愛情を注いでいると知ってるから最終的に許可が下りて、現在は今の状態だ。


この王獣の脈は弱く、死期を感じているのか目を閉じて大人しくしている。


「エリン。この王獣はどのくらいの命が残ってるんだ?」

「あと僅かです…。反応をしなくなりましたし、私達の声はもう…」


自分達に出来る事はない。
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