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□終わりは君にあげる
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沢山を与えてくれた君に、俺が持つ物を全て与えよう。

俺は何を君に差し出す事が出来るのか。



『私は貴方の傍に居たい』

『それは俺も同じだ。だが、後悔をするかもしれない』

『たとえ後悔をしたとしても…』



ありがとう。君がそう思ってくれるのならば、俺は決めよう。




「堅き盾を辞める…?それは一体どういう事なのか説明してちょうだい、イアル」

「はい。私はこの度、エリンと生涯を過ごす事に決め、指物師に転職をしようと考えております」


頭を下げて伝えるイアルの言葉に、セィミヤは目を丸くすると堅き盾を辞める理由を理解し、隣に座るシュナンに顔を向けた。


「そういう事ならば許そう。イアル、お前はこれから好きなように生きれば良い」


シュナンは頷き、イアルは堅き盾から解き放たれた。


この時、この瞬間、俺は生涯貴女のものとなった。

彼らに返還した鎧や剣は、貴女に誓う忠誠心であり、この命の時間は、貴女とこれからの将来を守る盾として削ってゆく。



エリン。君が決めれば良い。これから、俺の持たなければならないものを。始まりは自分で選んだ。

ならば、終わりは君にあげよう。


Fin.

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