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□イアルはエリンを心配する
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「エリン…。もうそろそろ止めたらどうだ…?」
「嫌です。まだ止めませんから」
頑として自分の意見を聞いてくれそうにないエリンを見ながら、イアルはこうなってしまった経緯を思い返した。
堅き盾として町に出て辺りの見回りをする事があり、俺はカイルと共に回っていた。
その時、偶然、エリンを見掛けたのだが、それは幸いだった。
町を行き交う荷車の荷が解けてしまい、大量の荷がエリンに覆い被さろうとしたのだ。
俺は素早くエリンを助けたのだが、荷を積んだ者に注意を言おうとしてエリンをカイルに一時的に預けたのが失敗だった。
「ん?エリンちゃん、ちょっと太ったのか?」
「え!?」
「いや、どうだろうな…。確かめたのは随分前だったし…」
いつ確かめたんだ…と俺は睨んだがカイルは気にもしなかった。その時のエリンの呟きが耳に残っている。
「私…太ったんでしょうか…」
俺は女の心がよく分からないが、太ったという事に多大な衝撃を受けるのを見た事があるから知っている。
エリンの場合、それが今に反映され、食事を抜くという無謀過ぎる方法を取っている。