If...Paro...

□もしもシリーズ第三弾!
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二人はぎゃんぎゃんと騒ぎます。放置プレイされたエリンは二人を見て、そっと息を吐きました。


今からどうするのだろうと思った矢先、聞いた事がある誰かの声が聞きました。それは奥にある扉の向こうからです。

エリンは分からない声の主を考えながら、二人が言い争っている間なら構わないかもと思って、扉へと向かいました。



廊下を渡ると、広間のような場所に出ます。小さな建物が建っており、まるで裁判所のようです。エリンは辺りを見渡しました。すると、上の方にある壇上から赤色のドレスの裾がエリンの目に入りました。

エリンの目は徐々に上へと向かいます。ドレスは黒と白でデザインされた、ハートのドレスです。胸元にはばかでかいハートのマークがあります。そう、それはハートの女王様でした。しかし、エリンは目を丸くします。


「…王様ですか?」

「女王様だ。見て分かるだろ?」


低い声、頭に冠を被った見るからに男である女王は、イアルでした。手には“可愛いらしくあしらったハートの杖”を持っています。


エリンは思わぬ事態の遭遇に黙り込みました。考えてもみて下さい。あの堅き盾のイアルが女王のコスプレです。これには誰もが驚くに違いありません。


(イアルさんにこんな趣味があったなんて知らなかった…)
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