If...Paro...
□もしもシリーズ第二弾!
6ページ/6ページ
そっと息を吐き出し、傍らへともたれた。
「私はイアルさんの事が好きです」
薄れゆく意識の中で、イアルはエリンの言葉が聞こえた。優しく、陽だまりのような彼女の姿が見える。イアルはそっと目を閉じた。壁に持たれ掛かっていた体がズルリと床に倒れる。
彼女は、自分に生きろと言うだろうか。あぁ、言うだろう。だが、自分にとって、もう耐えられなかった。どうして自分は守りたい者を守れないのだろうか。次こそ…守り…――
深い闇にイアルは落ちる。
朝日が部屋に入り、イアルの顔が照らされた。幸せそうな微笑みがそこにはあった。愛する者に持たれ掛かるように、イアルは息を引き取っていた。
◇
二羽の色違いの鳥が飛ぶ。一羽は白色、もう一羽は黒色だった。太陽に向かって二羽は羽ばたく。
番いの鳥は寄り添うように舞い、空の彼方へと飛び去った。
彼らは再び光を見た。
Fin.