If...Paro...

□もしもシリーズ第二弾!
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闘蛇は怖い。物凄い速さで来ているはずなのに、動きがゆっくりと感じられる。私は衝撃が来る前に目を閉じた。もし、最後に言いたい事はあるかと問われれば、こう言う。


「…私は…――」



イアルは闘蛇が集まる隙間からエリンの姿を見た。唇が動いている。声は地響きによって聞こえない。何かを言い切ったエリンは、イアルと目が合い、笑った。そして、エリンは突撃した闘蛇の群れで見えなくなった。


「エリン!!」


イアルの悲痛な叫びは、既にエリンの耳には入っていなかった。







エリンの葬儀はタハイ・アゼの地で、しめやかに行われた。誰もが涙を流し、弔ってゆく。


イアルは堅き盾として、真王の傍に控えていた。イアルの表情は固く、エリンが眠っている棺をただ見ていた。


イアルがエリンに触れた時には、エリンは既に冷たくなっていた。あれほどの闘蛇が居たにも関わらず、奇跡的にも五体満足だった。
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