If...Paro...
□もしもシリーズ第二弾!
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さんさんと降り注ぐ光に、王獣の体は輝き、神秘的だった。
あぁ、これで終わる。王獣は決して、戦いの道具に使われる事はない。私で終わらせる。それが、私自身との約束なのだ。
目頭が熱くなる。悲しくはない。気持ちはすっきりとしている。待っていたこの時が来たのだ。どんな事であれ、私は受け入れる。
そう、私が闘蛇に食われようと、四肢がもげようとも構わない。後悔など何一つない。
ただ、疑問に思った事を全て解き明かしてみたかった。だが、それは諦めることにする。解き明かすには時間が多く掛かる。人生を全て使いきったとしても、全てを解き明かす事はなし得ないのだ。
でも、気掛かりがもう一つだけあった。
「…イ、アル…さん…?」
こちらに掛けてくる馬が見えた。乗っているイアルは必死に自分へと近付いてくる。
エリンの唯一の気掛かりはイアルだった。
彼は独りぼっちになってしまう。先代の真王様が彼の生きる理由だった。私は知った。彼には居場所がないということを。私がいなければならないということを…。
イアルはリランが上空に飛び立ったのを確認した。王獣の声で腹を向けている闘蛇をすり抜け、他の闘蛇がエリンに迫っている。