御礼企画

□公然の秘密
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ふたりはもう何年も一緒に生活してて、家族みたいなもんだからとは組以外の周りはそう思っているだろう。




それでも私達は、いつの頃からか何となくふたりの関係が変わった事に気付いていた。


最初に気付いたのだれだったのか‐‐‐



ずっと、




ずっと。



ふたりを見てきた私達だからこそ、気付く事もある。



いつの間にか、は組の生徒の中で暗黙の了解が出来ていて‐‐‐勿論、きり丸を除いてなんだけど。



きり丸が幸せでいられるように秘密を共有して、サポートをする。


ほっといたら、学園内ではふたりの時間なんて皆無に等しいんだろうから、


私達が気付いている事も知られないように…



ずっとふたりが笑っていてくれますように。



願いはただひとつ‐‐‐





「ねぇ、乱太郎!火薬買い付けたらぼく達だけで先に持って帰ろうか?お団子はふたりに任せてさ!」


お土産は勿論ぼく達の分もお願いして、としんべヱが口角を持ち上げた。


「私もそれ考えたんだけど…土井先生が生徒だけに火薬の運搬任せるとか考えないんじゃないかな…」



私は胸の前で腕を組んで、うーんと唸るとしんべヱもそれに倣っていた。


「そうかぁ、そうだよね。なかなか難しいね。」



ふたりに火薬を任せるのも、きり丸が拒否するだろうし…



「…本当にめんどくさいふたりだよねぇ〜。」


しみじみとしんべヱが言うものだから、私は可笑しくて思わず声に出して笑ってしまった。


前を歩いていたふたりが振り返る。


「「なに、どうした乱太郎?」」


同じような表情を浮かべて、見事にハモったもんだから…


私としんべヱは思いっきり吹き出した。


そんな私達を見て、怪訝そうにふたりで顔を見合わせていた。



そんなふたりが私達は大好きだから‐‐‐






本当に、


ほんとうに、




きりちゃんと土井先生がいつまでも幸せでいられますようにと‐‐‐




願わずにはいられないんだ。











END





「…っ、先生あんまりくっついてたら不審に思われますよっ!」


「あのなぁ。間隔も空けてるし、ただ隣歩いてるだけでは誰も何も思わんよ。もっと普通にしてろ。折角大義名分の下で一緒に出掛けられるのに…」


「…た、大義名分って。伊助が用があったってだけでしょ?!」


「…そうか。お前は嬉しくないのか。じゃあ、しょうがないな。」


「…えっ!あ、…いや、あの………う、‐‐‐うれしい…ですよ?」



先生の半誘導尋問で、きり丸が頬に朱を差してそっぽ向いて幸せそうにしてたら良いなと思います。





たか様よりのリクエスト

土井きり(恋人)で、隠してるつもりでも皆にバレバレなふたりでした。


まさかの乱太郎視点っ!

まさかのいちゃこら要素のこの薄さ…

期待外れに終わりそうで申し訳ないです。

こんな話でも大丈夫でしたか?…ドキドキ。

でも、楽しく書かせていただきました!

素敵なリクを本当に有難うございました!

このお話は、たか様に捧げます。






20100407




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