図書室―BL小説―

□この感情の正体は!?
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おかしい。
俺は最近どうかしている。

魔王専用の広すぎるベッドに座り俺は考えていた。

「この感情は何なんだよ…」

それは、ヴォルフに対する俺の感情の変化についてだ。

異文化コミュニケーションによる誤解とはいえ、俺からヴォルフに求婚したのは事実だ。

でも俺は正直、婚約者としての意識は結構薄かった。

でも…
最近俺はおかしいんだ。

数時間前――――――

「ユーリ!!」
「ヴォルフ?」
「今暇か?」
「暇っていったら暇かな」
「ならついて来い」
「うわ、ヴォルフ!?」

いつものようにヴォルフに強引に握られた手。

「ユーリに見せたいものがあるんだ」
「う、うん…」

俺は握られた手から伝わるヴォルフの体温にドキドキしてた。
それに、名前を呼ばれる度に跳ね上がる心臓。

――――――

「だぁーっ!!」

こうやって考えてみるとやっぱり絶対に変だ。

渋谷有利!!
どうしちゃったんだよ!?

「最近変な物食ったっけか?」

というか、食べ物で心理は左右されるはずがない。
思ってから、俺ってちょっとおバカさん?なんて思った。

「はぁー…」

この感情、名前を知っているような気がするけど…
はっきりとは言えない。

悩み過ぎて熱が出るんじゃないかってくらい悩んだ。

ものすごく悩んだあげく、俺は信頼できる名付け親のところへ行くことにした。

きっとコンラッドならこの感情の正体を教えてくれるはずだ。

「よっし!!コンラッドが部屋に居ますよーに…ヴォルフに会いませんよーに」

勢いをつけてベッドから降り、俺は重いドアをゆっくり押し開け廊下へ出た。

向かうはコンラッドの部屋。

廊下を忍び足で進む俺。
何だか悲しくなってきた。
でも、ヴォルフに会わないようにちゃんと気をつけながら。
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