図書室―BL小説―

□この感情の正体は!?
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その夜、俺は報告するためにコンラッドの部屋を訪れていた。

「コンラッド!!本当に本当にありがとな!!」
「いえ、俺は意見を言っただけですよ」
「そのおかげだし」

あぁ、やっぱりコンラッドの笑顔は安心できる。

「ヴォルフも機嫌よさそうに廊下を歩いてましたよ」
「そっか、よかった」
「ユーリ、そろそろ寝た方がいいんじゃない?」
「そーだな、夜更かしは体に悪いしっ」

部屋を出ようとドアに手をかけた瞬間、まだ力も入れてないのに自然とドアが開いた。

まさか、幽霊!?

しかし、その正体はすぐにわかった。
俺を探し回っていたヴォルフが開けたのだ。

「ヴォルフ!?何でここに?」
「ユーリの部屋に行ったら居なかったから探しに来たんだ」
「あ、ごめん!!」
「それより何だ、こんな遅くにコンラートの部屋で何してた」
「いや、あの、ほらー、野球の話しだよ!!」
「そうか、ならいい」

そっと振り返ると、コンラッドが笑顔で手を振っていた。

あれ?
何かいつもの笑顔と違うよーな気がするのは…

「ユーリ、ヴォルフ、おやすみなさい」
「じゃな、コンラッド」
「コンラート…笑顔が怖いのは気のせいか?」
「気のせいだよ」

そう言ったコンラッドの笑顔はやっぱり何か違う気がしたのは俺だけじゃなかったらしい。

俺たちはコンラッドの部屋をあとにした。

ヴォルフが歩く度に揺れるネグリジェを見ながら、自室へと戻るのだった。





END
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