猫道通路

□独占欲
1ページ/2ページ



最愛の彼女がメイド喫茶やるなんて
溺愛してる俺からしたら見に行くしかないだろう?





独占欲






「なのに何でお前も着いてくんの?」


俺の隣をブラブラと歩く男
幼なじみで今も同じ職場(?)で働いている高杉



「トシから招待状貰ったンだよ。偶にはいいだろ」



学校に入るには招待状が必要らしく 俺もトシから貰った




「俺ら浮いてねぇか…?」





華やかに飾り付けられた校門
元気な学生達が
自らの店の呼び込みをしている





あまり浮かない様に、と派手な服装はしていない。
(後でトシに迷惑かけたら悪いし)
上下黒系の服に
髪に合わせたゴールドのネック
車も近くのコインパーキングに停めてきた。




それなのに……隣を歩く人相の悪い男………
(俺もあんま良いとは言えないけどね)





こいつも地味な色の服だけど
人相(危険な)とかオーラ(ニヒルな)とかがカバーしきれていない……



俺を見た女子高生は
一瞬驚いて 「銀八?」「でも銀八よりカッコイイ!」とか騒いでる。
双子だからねー仕方ない


隣の高杉を見れば 一斉に頬を赤らめて遠目で見ながら静かにはしゃいでる。
(こいつの客と大差ない反応)
(こんな反応ばっかなんだな)




トシから貰ったパンフレットを片手に階段を昇って目当ての店へ。

可愛らしく飾られ
メイド喫茶、と大きな看板



「お前らやっぱり来たんだな〜」



入口には双子の弟で トシの担任である銀八



「おっ…お前も…メイド…!?」


高杉と腹を抱えて笑った
だって似合わなすぎる
(双子だから実質、俺も似合わないって事になる)
(うん、似合わなくていいや)



「俺だって着たくて着てんじゃねーよ!!」


銀色の頭に乗るのは猫耳カチューシャ
ヨレヨレの白衣の筈が フワフワの白いエプロン
(胸元にはハートマークの名札つき)



だめだ、腹いてぇ……!





笑いすぎて腹筋がおかしくなると思った時、ひょっこりと、顔を出した人物に目が釘付けになった。


長い黒髪はポニーテールにして
頭には銀八と同じ猫耳カチューシャ

白を基調としたメイド服に
それに合わせた白のニーハイ

淡いピンク色のふわりとしたエプロン
名札には 『 とし 』 と平仮名で書かれていた




「やっっっばい可愛い!!!」






顔に一気に熱が集まるのが自分でも分かった。





無意識というか
テンションが上がりすぎたというか
体は勝手にトシを抱き締めていたらしい
(いや、意識なかった。マジで)





「ちょっ…!金時!!」


 


じたばた、可愛い抵抗
猫耳だから猫パンチを食らった





あぁ…俺 今かなり痛いな…




自嘲しながらもトシの体は離さずにいたら、トシのクラスメイトらしき学生に囲まれた。




 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ