アゲタモノ
□３月白日
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なんじゃ、まだ残っておったのか？
ワシは部活じゃ。
お主は何故こんな時間まで？
もう補習も終わったのに。
む……何でもないなら、いいのじゃ。
さて、帰り仕度をするかの。
……何じゃ？
ワシの顔に何かついておるのか？
……なら、いいのじゃ。
…………
そう言えば、お主、ワシの事をどう思う？
い、いや、そういう意味ではなく！
……皆、ワシを男として見てくれないのじゃ。
どこからどう見ても男じゃろうに！
可愛いとか美少女とか、いくら言っても……！
……可愛いものは可愛い？
……たしかに『可愛い』というものは元来誉め言葉なのじゃが……
男に『可愛い』は、誉めておるようには……
じゃあどう思えるか？
いや、けなされておるというか、バカにされてるような、というか……
な、何じゃ？ 何故怒るんじゃ!?
贅沢って、可愛いと言われる事がか？
……ワシは可愛くなんか……
え？ ワシが可愛くないなら何が可愛いか？
そんな事ないぞ！
お主の方がワシなんかよりずっと可愛いじゃろう！
……？
どうしたんじゃ、顔を反らして。
……可愛すぎる？
……お主……
……ワシは、お主の方がよっぽど可愛いと思うのじゃ。
どうして……じゃろうな。
…………
お主、一ヶ月前に、ワシにプレゼントをくれたの。
嬉しかったのじゃ。
皆は何故かワシに求めてくるし……
ワシは男なのに……
お主だけじゃった。ワシにあのような事をしてくれたのは。
……もう一ヶ月たったんじゃな。
…………
え、えっと……
むぅ……何だか緊張するの。舞台の上でも平気なのに……
え？
な、何でもないのじゃ……
…………
……ふぅ。
ワシはとても嬉しかったのじゃ。
だから、コレを……
気に入ってくれるかは、わからないのじゃが……
バレンタイン、ありがとうなのじゃ。
お返し、もらってくれるかの……？