夫婦
□毎朝の日課
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チチチッ………
庭にやってきた小鳥が鳴き、朝がやってきたことを告げる。
小鳥の声で目覚めた名無しさんは、寝ぼけ眼で隣に眠る夫を見た。
夫――政宗はまだ夢の中。
「政宗…朝だよ」
自分も未だうつらうつらとする中、声をかけてみる。
「ん……Honey…?………zzz…」
一度目を開き、名無しさんと目が合うが、再びそれは閉じられてしまった。
いつも、政宗に抱きしめられ寝ている彼女は、彼が起きてくれないと起きれない。
以前、手をどかして起き上がったら、すぐに布団の中へと戻され、さらに強く抱きしめられた。
「また寝ちゃったし、大丈夫だよね…?」
自信はないが、恐る恐る腰に回っている手をどかし起き上がる。
ほっと息をついたのもつかの間。
腕を引っ張られ布団へ逆戻りだ。