夫婦
□甘えたらこーなった
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「んー…」
「……あの、ナナシさん?」
「んー?」
「どう、したんだ…?」
久々の休日。ラント邸の自室へと戻ってきた俺とナナシさん。
部屋へつくなりナナシさんが抱き着いてきて、かれこれ5分が経つんだが…。
奥さんの珍しい行動に、俺は内心喜びつつも、困惑していた。
「なん、となく。甘えたくなったの。…ダメ?」
…あ、ヤバい。可愛い。
上目で見上げてくるナナシさんを抱き上げて、ベッドへと移動する。
いつまでも立ったままってのも落ち着かないしな。
「いや、いいよ。可愛い奥さんの甘えなら大歓迎」
「…♪」
俺の答えが嬉しかったのか、ベッドに寝転んだ後も、ナナシさんから抱き着いてきた。
あー…幸せだ。
そんなことを思っていれば、だんだんナナシさんに触れたくなるのも当然で。
「ナナシさん…キスしていいか?」
恥ずかしそうに頷いた奥さんにクス…と微笑み、俺が覆いかぶさるように体制を変えると、ナナシさんも俺の首へ腕を回した。
「ん…っ…」
何度かキスを繰り返している内に、もっとナナシさんが欲しいという欲求が湧き出てきて。
「ん…ゃ、あ…アスっ」
「…ナナシさんから甘えてきたんだろ?」
「けどっ…ちょっと待って…っ…あぁんっ」
「ダーメ」
「んっ…もうっ…」
ナナシさんの制止を聞かず、肌に手を這わすと、諦めたらしい彼女が甘い声を出した。
甘えたらこーなった
(…そんなつもり無かったのに)
(…悪かったよ)
(でも、まぁ、いいや)
(ん?)
(嬉しかったし…//)