夫婦
□交換条件
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「…ねぇ、ユーリ」
「ん?」
「何でパジャマのボタン外そうとしてるのかしら」
「ナナシさんの寝顔がかわいーから」
「答えになってないわよ、ユーリ」
なおも外そうとする手を叩き落とし、ニヤニヤしている旦那の頬を軽く抓った。
いでで、と顔を歪めるも、ナナシさんからどく気配のないユーリに、彼女はため息を付いた。
「昨夜散々ヤったじゃない…」
「あぁ、そうだな。昨夜も可愛かったぜ、ナナシさん」
「そうじゃなくてね…」
長い付き合いのせいか、何となく諦めるしか無いことは分かっていた。
けれど、素直に彼の思うままにされるのが少し悔しくて。
「な、いーだろ?」
「もー…じゃ、1つだけ条件」
やりぃ、と小さくユーリがガッツポーズをしたのが見え、思わず少し笑ってしまった。
「で?条件て?」
「後でとびっきり美味しい朝食作ってね」
「リョーカイ、お姫様」
不適に笑ったユーリが優しく、キスを落とした。
交換条件
(…腰痛い)
(悪い。あまりにも気持ち良かったから止まんなかった)
(…ホットケーキが美味しいから許してあげる)
(お、照れた)
(うるさい。ばかユーリ//)