brothers conflict

□まこくんとおまじない
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午後2時。お昼寝を済ませた園児達の体力は完全に回復していた。

それぞれ、自分の布団を片付けた園児から外へ行ったり、遊戯部屋へ行ったり。


「ななしさん!はる!まこと!はやく!」

「まてよりん!」

「ななしさんちゃん、じゅんびできた?」

「んしょ…うん!おっけー!」


靴をしっかり履いて、差し出された真琴の手をとった。
手を繋いで、先を行く凛と遥を追いかける。


「まってよ!りん!はる!……――うわっ!!?」

「きゃあ!?」


最初に真琴の足がもつれた。繋がれた手から名無しさんの足ももつれ、2人共転んだ。


「!?ななしさん、まこと!?――りん、ちょっとまて!」

「〜っいたた…びっくりしたぁー」

「うぅー……いだいよー…!」


遥と凛が駆け寄ると、2人共起き上がっていた。長ズボンを履いていた名無しさんにケガはなさそうだが、真琴は半ズボンだった為膝を擦りむいてしまっており、泣いていた。


「まこくん!だいじょーぶ!?んっと、こういうときは…」


まずみずであらわなくちゃ!と真琴に立てるか問いかけた。
泣いてはいるが、頷いたのを確認し、手を貸して真琴を立ち上がらせる。


「はるくん、りんくん、せんせーよんできてくれる?」

「「まかせろ!」」


水道で砂を落としていると先生を連れた遥と凛が戻ってきたので、そのまま保健室へ。


「ななしさんはへいきなのか?」

「うん、だいじょーぶだよー」


でも、すこしズボンやぶれちゃった…。怒られるのを心配しているのか少しだけ落ち込んだ様子を見せた。だがすぐに笑顔になった。


「まこと、まだいたいか?」

「うん…すこし…」

「まこくん!ななしさんがおまじないしたげる!」


名無しさんが唐突に真琴の傷口に手をかざした。遥と凛も興味を持ったのか、まじまじと名無しさんの手元を見つめている。


「いたいのいたいの、とんでけー!」


きらきらー!と手を小刻みに動かして名無しさんがあの可愛らしい満面の笑顔で言った。自然と真琴の涙も止まっていた。


「もーだいじょーぶだよ!まこくん!」

「――うんっ!」


彼も満面の笑顔を返した。


◇まこくんとおまじない◇

(ななしさん!おれがけがしちゃったときもそれやってくれよな!)
(いいよー)

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