brothers conflict

□るーくんとじゅんび
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名無しさんちゃんが保育園に行く為の身だしなみを整えるのは僕の役目。

そろそろ準備を始めなければと、名無しさんちゃんを探すと洗面所があるお風呂場から名無しさんちゃんは出てきた。その後ろからは学生服を着た侑介くん。


「名無しさんちゃん、歯は磨けた?」

「うん!ゆーくんてば、ななしさんのはんぶんくらいしかみがいてないんだよ!」


多分、時間的な意味で、だよね。


「そっか。侑介くんは虫歯になっちゃうかもしれないね」

「ななしさん、むしばさんやー」

「うん。僕もやだな。…さ、着替えよっか」


名無しさんちゃんの背後で少し落ち込む侑介くん。少し面白い。
今朝みたいに名無しさんちゃんの手を引いて、リビングへ戻った。


リビングの一角は名無しさんちゃんのスペースがある。キッズルームのようになっていて、名無しさんちゃんのおもちゃや洋服なんかは全てここだ。


「今日はどれにしようか?」


今日はお外で遊ぶの?と問いかけると「はるくんたちと遊ぶよー」
と返ってきた。はるくん?

リビングで僕らの様子を眺めていた椿兄さんは飲んでいたコーヒーでむせた。「はるくんて誰!?」「男の子…だよね」要兄さんと雅臣兄さんも動揺してる。


「じゃあ、スカートはやめた方がいいね」

「きょうはなにしようかなあー」


名無しさんちゃんの服がたくさん入ったタンスから数着を取りだし、名無しさんちゃんに合わせながら決めていく。
…うん、今日はこれかな。


「さ、次は髪だよ。…おいで」

「はーいっ」

「今日はどのゴムにする?」


様々なデザインのヘアゴムやヘアピンから今日名無しさんちゃんが選んだのは、赤に白の水玉が特徴的なヘアゴムだった。
後頭部の高い位置で結んであげて、ポニーテールに仕上げた。名無しさんちゃんの髪はつやつやだから触ってるだけで、気持ちいい。


「はい、出来上がり」

「ありがとーるーくん!」


うん、可愛い。

大満足の出来映えに微笑みながら、僕はふと思い出した。


(そういえば、はるくんて誰だろう…?)


◇るーくんとじゅんび◇

(名無しさん、はるくんて誰ー?)
(はるくんははるくんだよー。あとりんくんとまこくん!)
(ちょ、全員男…!)
 

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