WORKING!!
□9品め!
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しゃーこ、しゃーこ…
「……(え?何、何の音?)」
正体不明の物音が名無しさんの耳に聞こえてきた。
その音はフロアの方へ近付けば近付く程大きくなり、名無しさんの恐怖心を掻き立てる。
しゃーこ、しゃーこ…
一定の穏やかなリズムを刻んでいる音だが、一体何の音なのか。
思い切って、音のする方へ正体を確かめに行った名無しさんは―――
「……(あたし何も見てないよー)」
顔面蒼白で思い切り目を逸らし固まった。
「名無しさんー、砥石知らね?」
「――潤さん…」
そこへ、何も知らない佐藤が調理場から顔を出した。
「小鳥遊や種島も見てないらしくてさ。調理場にも無いし」
「あー…砥石なら、あそこ」
名無しさんが指差した先には、しゃーこと先程からの奇妙な音をたてながら刀を研ぐ八千代の姿があった。