WORKING!!

□3品め!
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「これは…」



小鳥遊は段ボールいっぱいに入った、手の平サイズのクマらしき人形を1つ持ち上げた。



「あー、子供用メニューのおまけだ」

「下さい!」

「だから子供用メニューのだっつの。
注文しないと駄目だ」



小さいものに異常な程執着をみせる小鳥遊にとっては、そのおまけはお宝以外の何物でもなかった。



「じゃあ注文しますから!!」

「何かキモイから駄目だ」



ただその愛情を理解出来る人が少ないのだが。



「何してるんですかー?」

「名無しさん、ちょうどいい。
早く小鳥遊に仕事覚えさせろ。

コイツ、ヒマだとうるさい」

「…えーっと」



未だにおまけをにぎりしめて涙目でケチ、と呟く小鳥遊を見た名無しさんは何となく状況を理解した。



「ぽぷらー」

「はーいっ」

「小鳥遊君に仕事覚えさせろだってー」

「はぁい」



とりあえずぽぷらを呼び、自分は一歩下がる。





(だってめんど……じゃない、教えるの下手だもーん)





「かたなし君っ。
今日もきびしく仕事教えるよ!

泣いたらだめだよ!」

「だめだよ!」



ぽぷらに便乗し、最後だけを復唱してみる。

本人たちは至って真面目なのだが、2人して片手をあげる姿は微笑ましく、小鳥遊の表情がかなり緩んだ。



(…可愛)

「佐藤君、ニヤけてるよ〜?」



キッチンから何気に見ていた佐藤は、デジカメを持って現れた相馬をフライパンで殴りため息をついた。



  
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