ギフト
□ランナー
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四楚歌 真夜様リク ミシェル×クラン 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜ver.
『お前1人を、死なせはしない!!』
あの日の言葉を、私はまだ憶えている。
ミシェルが私にくれた言葉──。
☆ランナー
「なぁ、ミシェル、」
「なんだ、クラン?」
「……守ってくれて、ありがとうな。」
「どうしたんだ急に、クラン?」
「いや。お前が私にかけてくれた言葉を、思い出しただけだ。」
そんなことを、こんなゼントランの状態で言うのは、ただ私が、あいつに──。
「……そうか」
──大人として、見てもらいたいだけなんだろうな。
明後日の方向を向いて返答するミシェルに、まだまだ子供だ、と思う。
自分は、そんな子供が好きなんだな、とも。
好き、と思考回路の中だけで言葉にすれば、ほん、と感情が腑に落ちる。
認めたくは、なかったんだがな。
お前は私に、見向きもしてくれないだろうし──。
隊服に腕を通しながら、ミシェルはこちらを見ずに言う。
「けどさ、──俺の恋はここにあるって、やっと分かったんだ。」
それって、
それって、
どういう、
「クラン、俺はアルトみたいな想いの伝え方をしよう、なんて思ってない。」
「おいミシェル、それって、」
『ランナー』の前奏が、始まる。
それを聞いたミシェルが、まだ光の当たっていない舞台へと、歩き始める。
「だから、このライブが終わったら、ちゃんと伝えるよ。」
「ミシェル……!!」
「ほら、行くぞ、クラン!!」
「あぁ!!」
歩き出そう。
いや、
走り出そう。
遥か彼方の、未来に向かって、
2人で──。
──fin.