ギフト

□今年の始まりには
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「ふにゅょうぅ〜〜、」
「……お前、どうしたんだよ?」
「眠いだけ。」
「……じゃあ奇声発するなって。」
「良いじゃん!!」
「良くないだろ、薫。」
「亮〜〜。」

まだ眠いとのたまう、薫の言葉は、
あながち嘘じゃないらしい。

ゆっくりと目を閉じて、寝息を立て始める薫の姿が可愛らしくて、いとおしくて


だから、お前と会える短い時間も、どんどん特別になっていく。

離れるなんて嫌だ、は、
永遠に愛している、に、
変わった。

だから、ありったけの気持ちを、俺の触れる指で目を覚ましたお前に降らせてみる。

「愛してるよ、薫。」
「うん。私もだよ、亮。」

あっさりと返してくれた薫は、まだ眠そうで。
だからこそ、こんなに恥ずかしがらずに素直な言葉が言って貰えたのかも知れな
い、と少し嬉しくなる。

──相変わらず単純な俺。

まぁ、それでも良いのかもな。

「ほら、朝だぞ、薫。」

俺、今日これ言ったの何度目だ?

「ぅ〜ん…」
「あけましておめでとうございます。俺はずっと薫と一緒にいたいな。」
「うん、私も…………ってえぇっ!?!?」
「嘘じゃないぞ?」
「うん…。……私も、嘘じゃないよ。驚いただけ。」

やっと目を覚まして、恥ずかしそうに呟く薫。

それも可愛い。

今年の始まりには、
どこからともなく、
どちらからともなく、

幸せが降り注いでいた。

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