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□お前の瞳のその先に
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☆貴方の瞳のその先に

「ミシェル……。」

クランが穴が空きそうな程見つめているのは、今日も当然ミシェルであった。

「…ん?」

そのくせ、ミシェルがその視線に気付くと、そ知らぬふりをしてそっぽを向いてみる。

「ミシェル、には、私では……。」

クランのこんがらがった思考が、
1つの回答を叩き出した時、
ミシェルがクランの方に歩いてきた。

「おいクラン、小さい頭で何考えてる?」
「……ミシェル……。」
「何?」
「ミシェルは、私がそばにいても、良いと思うのか?」
「お前は良いと思わないのか?」

こくり、クランが頷く。

「俺は、いても良いと思うけどな。」
「ミシェル……。なんでそうやって、優しくするんだ?」
「俺はどんな女性にも優しいぞ?」
「そうじゃない!!」
「……クラン?」
「お前には、もっと他の奴の方がふさわしいから……。それなら、私はお前のそばを、」
「離れるっていうのか?」

その言葉に答えられなかったクランは、俯いて、小さな体を震わせ始める。

「クラン、顔上げろよ。」

そっと顔を上げた、クランの瞳には、涙が浮かんでいた。

「……ミシェル、」
「あ〜、悪かったよ。ランカとシェリルといたこと気にしてるんだろ?」
「!!!!」
「図星か。」
「違っ、」
「悪かった。ランカとシェリルと一緒に、アルトの誕生日プレゼント見に行ってたんだ。」
「へ!?」

力が抜けたかのように、
クランは、へなへなとそこに座り込む。

「そうだったのか、ミシェル……。」
「そうだ。」

少し照れて、そっぽを向くミシェルを見て思う。

やっぱり、私はお前をずっと、
想い続ける。
お前の瞳のその先に、
何があるのか知りたいんだ。

願わくは、
そこに私の姿がありますように。

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