ギフト

□サヨナラ。
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どうして?
どうしてなんだろう。
俺は、ユーリを、傷つけて。
こんな所で、のうのうと、生きて――。
だから、ユーリから、
引き離されたんだな。
罪、なんだ――。

「…俺の、罪なんです。」
「でもっ!!」
「ユーリ。……お願いだから、背負わせてください……。」
「コンラッド……。」
「……お願いです。」
「……嫌だよ……。」
「ユーリ?」
「コンラッドの罪じゃ無い。だから、背負わせたりしない!!」
「どうして!?」
「当たり前だろ!!コンラッドは、おれと、眞魔国と、この世界の将来の為に動いてくれたんだ。命まで賭けて!!」
「でも俺は、あなたを苦しめたんだ――!!」
「そりゃ、コンラッドがちゃんとおれに事情を話してから行ってくれたら良かったのに、って思う事もあったさ!あったけど、おれは確かに、演技とか下手だし、仕方ないって、今だったら分かるよ!
でもその程度の、おれが我慢すれば良いだけの事と、コンラッドが、行動して、世界を変えてくれた分って、釣り合わない程大きいものだったじゃんか!」
「ユーリ……。」
「コンラッドの方が、ずっとずっと、良く働いて、行動してくれたんだよ!」
「……ユーリ、そこまでです。」
「えっ?」
「ありがとうございます、ユーリ。……俺は、幸せ者ですね。こんなに、ユーリに想ってもらえて。」
「何言ってんだよ、コンラッド!?」
「もうすぐ、12時です。」
「っ!!」
「……シンデレラ、みたいですね。」
「……そうだな。」
「じゃあユーリ、必ず、1ヶ月後に、迎えに行くから。」
「うん……。」
「それまで、待っていて下さい。」
「……わかった。……あのな、コンラッド。」
「なんですか?」
「おれ、コンラッドが命を救ってくれたこと、忘れないよ。……だって、すごく……、嬉しかったから。」
「ユーリ……。」
「だから、その分、絶対コンラッドに恩返しするから……だから、絶対戻って来いよ!」
「はい!!」

こうして、2人は、離れて過ごす、最初の朝を迎えた。
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