今月のbirthday小説

□今ある幸せを
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「ちょっと、ロドニー!!」
「ん?何だ?……嫌だったのか?」
「違うけど……何よ、これ!!」
「だから、ケーキ。」
「う゛〜〜〜!!!」

☆今ある幸せを

ふてくされるキアラと、
彼女が何を求めているのか分からず、さも不思議そうなロドニーの前に、
所狭しと並べられていくのは、数々のケーキ。

「だって、約束守れなかっただろ、こないだ。」
「そういうことじゃなくて!」
「じゃあ、何が欲しいんだ?」
「ねぇロドニー、わざとやるのやめなさいよ。」
「!?!?」
「あんたがいつもと違ってそんなに嬉しそうだったら、気付くわよ!!何考えてんのか教えなさい!」
「何でだ!?」
「私が正義だからよ!!」
「違う!!」
「へ?」
「……何で気付いたんだ?」
「そんなの……あんたをずっと、見てるからに決まってるじゃない。」
「……ありがとう。好きだ、キアラ。愛してる。」
「な、何言ってるのよ……。」

不器用なロドニーと、
不器用なキアラ。
2人は、不器用だからこそ、
お互いの想いを感じていて。
でも照れくさいから、綺麗な愛の言葉になんかならない。

──でも。

(それで良いと思ってる。)
(それで、良いんじゃないかなって。)

だから、

「とにかく食べろ。──キアラの為に用意させたんだぞ?」
「言われなくても食べるわよ!!──せっかくロドニーが用意してくれたのに、無駄にする訳無いじゃない。」

今ある幸せを、
噛み締めさせて。
──2人で。

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