ゴーストハント


□それは、うたかたの
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『君が好き』

ひまわりのようなその笑顔が。
頑張り屋で芯が強いけれども、実は寂しがりなところも。

本当に、大好きだよ。


だけど言えない言葉。僕と君とは存在する場所が違うから。例え、お互いを分かり合えたとしても…そこに未来はないから。
だから僕はこの言葉を胸に閉じ込める。君のかわりに、大事なこの想いを。


+++++

麻衣も僕のことを想ってくれているのは知っている。これは自惚れではなく。

だけど僕はこんなだから、麻衣が寂しい思いをしてるのも知っている。
それが僕には辛い。

…お互いなんて不毛な恋なんだろうね。

でも無くしてしまうこともできない。したくない。


そんな僕の妄執に捕らわれている君を自由にしてあげたいけれど。
ごめんね、今は思い切ることができないんだ。



だけど。
彼がいる―――僕の半身が。
ナルは、明るい麻衣にずっと惹かれてる。本人はまだ気がついてないみたいだけど。
でも、それも時間の問題かな。

麻衣もナルの優しさは理解しているよね。口も態度も悪い彼の、本当の心を感じているはず。
だから僕は待っているんだ。二人の想いが合わさるそのときを。
寂しいけれども、きっと祝福できると思うから。


+++++
大切な僕の半身。
そして恋をすることを教えてくれた愛しい君。


前に進んでいく君たちの未来に、僕はただ、祈る。


幸あれ、と。





fin






なんだか。ジーンがタイトル通り儚くなってしまいました。今にも消えそうです。

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