crazy for YOU

□Let's ぱーてぃー☆ 《後編》
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はるひ達が会場に入った時、既にそこは沢山の人でごった返していた。


はるひ「よっし! まず皆を見つけよっ、ねっ真琴……」


真琴「飯ーッッ!!」


はるひ「……唯」


はるひが右手を上げながら真琴と唯を振り返った瞬間、真琴は猛スピードで料理の並んでいるテーブルの方へ走り去り、唯の姿は既に無かった……。


優は会場に入ってすぐ挨拶周りに行ってしまったのでつまり……


はるひ「……はるひ、ひとり?」


……と、いう事になる。


皆さんお忘れかも知れないがはるひは……


はるひ「のはっ!?」


男性「おっと失礼」


はるひ「…………(フリーズ)」


有り得ない程の人見知りである。


恐らくぶつかった拍子に落ちてしまったのだろう、床にはるひのにこちゃんが転がっていた。


それに気付いた男性は、にこちゃんを拾い上げながら


男性「おや、可愛らしい髪飾りが……
はい……おや? 君は桜華原財閥の……」


はるひの顔を見て目を丸くした。


はるひ「えと……あ……え……」

何か言おうとするが、言葉を発せないはるひの口から出るのは言葉に成らない言葉だ。


そして男性はやがて思い付いたように手を叩き、一際大きな声で言った。


男性「はるひさんだ!」


はるひ「〜っ」


その後がどうなるかは、はるひにも想像出来た。


過去のパーティーでも幾度となく起きた地獄


まず、男性の言葉周りに広がり


「おい、『桜華原』御令嬢がいるらしいぞ」


「まぁ『桜華原』様の御令嬢?」


「これはこれは……ご挨拶に伺わねば」


そして……


はるひ「〜〜〜っ!」


囲まれるのだ。


人見知りなはるひには地獄でしかない。


はるひ「(……へるぷ)」


はるひには、にこちゃんの髪飾りを抱いて事が収まるのを待つことしか出来なかった。







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