crazy for YOU

□お呼びだし
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新学期2日目


授業と言える授業も無く、ただ役員決め等に使い果たしたその日の放課後…


はるひ「えへへ〜 図書委員になっちゃった…図書委員て何すんだろー?」


唯「や、多分相手の男子がやってくれるからはるひは何もしなくて良いと思う…むしろしない方が…」


はるひ「はるひ…あ、違う…! わ、私だってお仕事出来るもんっ」


真琴「いやはるひ、無理して一人称変え無くても良いんじゃないか? つーかアタシの方がお笑いだろ、アタシが保健委員て…」


唯「自分が付けた傷を手当してやるみたいな…」


はるひ「だいじょーぶ! 真琴なら立派にナース服も似合うよ!」


唯「や、そういう問題じゃないし」


真琴「つーかナース服なんか着ねーし」


今日不運にも決まってしまった委員会について語っていた彼女達に突然の放送が鳴り響いた


――ピンポンパンポン
『3年B組、桜華原はるひ・早川真琴・南野唯 至急生職員室に…』


真琴「さーて帰るか!」


放送を最後まで聞かずに真琴は腰掛けていた椅子から立ち上がった


続いて唯も


唯「あ〜、今日ジャポンの発売日だった」


そう思い出したように席を立ち上がった


ちなみに『ジャポン』とは唯が愛して止まないスイプリが連載されている週刊誌である


そしてただ一人はるひだけは立ち上がらずに二人を見上げながら不思議そうに首を傾げた


はるひ「職員室は?」


真琴「んなの行ったって怒られるだけ! 誰が行くかっつの」


はるひ「怒られるって…何にもしてないじゃん! 褒められるのかも!」


唯「いやいやいや〜…自分の格好を見ようよ…最早制服の面影もないし…」


はるひ「えへへ〜、可愛いでしょ?」


真琴「だーかーら、その可愛いの取られたくなかったら見つかる前に…」


「『見つかる前に』?」


真琴の言葉は、教室のドアから聞こえてきた声に遮られた…






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