crazy for YOU

□そんな設定、忘れてました。
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――キーンコーンカーンコーン……


昼休み終了のチャイムが鳴り響く中、少年少女は絶望していた。


真琴「お、おーいはるひ……なんでどうしてこうなったァ!?」


唯「いや……まぁ、予想できてた……」


和希「マジかよ……家のチビ共より酷いぜコレ(汗)」


はるひ「えと……頑張ったん、だけどな?」


千架「……頑張った? 何を頑張ったって言うのかな桜華原さん? ん?(黒)」


千架は恐ろしいくらいの笑顔を顔に貼り付けながら、部屋を見渡した。


散乱する書物に、ちゃんとファイルに閉じてあった筈の書類。


花瓶が倒れたのかびしょ濡れの机に床に散らばった硝子の破片。


そして極めつけは床に広がる砂だった。 一階ならばいざ知らず、ここは校舎の三階にあるのだから間違っても箒で巻き込んだりはしない筈だが……。



とにかく一言で表すとするならば、この部屋はとりあえず汚くなっているのだ。



はるひ「だ……だってはるひ、お片付けなんてしたことなi」


真琴「んな事関係ねェェェェ!!」


――ドガッ


はるひ「――いっ……たくない?」


祐輔「だから、止めたでしょ」


はるひ「祐くんっ!?」


真琴がはるひへ繰り出した正拳突きは、見事祐輔の右手で止められていた。


……と思われた次の瞬間。


――ぺちん


はるひ「ひゃうっ」


祐輔「はるひちゃんにも、教育的指導」


次は祐輔がはるひの頭を軽く小突いた。


真琴「矢吹……テメェ」


祐輔「……俺、護身術は出来るかr」


真琴「はるひを弄って良いのはアタシだけなんだよ!!!!!」


祐輔「だから……はるひちゃんの面白さに気付いたのは俺が一番」


真琴「っせぇな! 今はアタシの玩具だ!!」


祐輔「……俺のだよ」


真琴「アタシのだ!!」


はるひ「痛い痛いっ! 引っ張らないでよ〜っ」














和希「……おいおい(汗)」


唯「アホらし」


千架「……」


和希「アレ? 千架は参加しねーのかよ? いつもは横からスッと入っていってパッとかっさらうくせに」


千架「……飽きたんだよ」


唯「なに? やっぱりはるひが『桜華原』だから?」


千架「――あぁ、そうだな」


和希「な!? 千架おま……」


千架「だけど……他人とは違う意味でな」


唯「なにさ?」


千架「……秘密」


唯の質問に、千架は女子に大人気の王子様スマイルを見せながら人差し指を口に当てた。


唯「……キモ」


千架「そりゃどーも」


和希「……千架、お前やっぱ――」


千架「和希……下手な事言ったら殺す


和希「わっ、わかっ……」


――ドガッ


和希「グボァッ!?」


千架「……!?」


唯「椅子?」



和希が頷いたまさにその瞬間、まるで狙ったように和希の顔面に椅子が激突した。



そして椅子が飛んできた方――はるひと祐輔、そして真琴のいる方へ目をやると、



はるひ「ゆ、祐……くん?」


祐輔「ビックリさせてごめんね。 ……教室、戻るから」



時を同じくして、祐輔が生徒会室を出ていく所だった。



はるひ「まっ、待って祐くん!」


そして制止をかけるはるひを珍しく無視して早足で去ると、


はるひ「……祐くんっ!!」


はるひも慌てて追いかけて行った。






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