crazy for YOU

□Let's ぱーてぃー☆ 《後編》
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祐輔「……あ、南野さん」


唯「……んぁ?」


唯は現在、はるひの周りに出来た人混みを会場の隅で眺めていた。


そこに祐輔が偶然通り掛かったのだ。


唯「……なに? 何か用?」


唯は、なかなか去らない祐輔が気になり面倒そうに声をかけた。


祐輔「ソレ」


祐輔は唯の質問には答えずに、床に置いてある蝶が沢山あしらわれた髪飾りを指差した。


唯「あぁ……取ったよ、首痛いし」


祐輔「ふーん……どうでも良いけど」


唯「じゃあ聞かないでよ」


祐輔「南野さんが勝手に答えただけ」


唯「……あぁ」


唯はそういえば…と頷くと、またタルそうに欠伸をした。


祐輔「南野さんは食べないの? 凄い食べそうだけど」


唯「あたし和食派だし……と言うかソレ、あたしがデブって事?」


祐輔「……そのまんま」


唯「……あっそ」


会話が終えた事を確認した祐輔は、ひとつ息をつくと再び唯に問い掛けた。


祐輔「あそこ、はるひちゃんでしょ?」


祐輔はグラスに入った水を飲みながら、30m程離れた所に出来た人だかりを指差した。


唯「あぁ……うん」


祐輔「助けに行かないの?」


唯「ん〜」


祐輔の問いに唯はしばらく考えるが、やがてゆっくりと口を開いた。


唯「行くよ、限界になったら
一々助けてたら成長しないっしょ……
はるひが泣いてないって事は、本人も耐えてるんだろうし、あたしは友達で家族じゃないから甘やかす必要はないよ
はるひが可愛いのは確かだけどさ」


祐輔「……深いね」


唯「や、別に? …矢吹は? 行かない訳?」


祐輔「ん? 行くよ?」


唯「じゃあさっさと…」


祐輔「けど、はるひちゃんの困った顔、好きだから」


唯「……左様ですか」


祐輔「うん」


こうして唯と祐輔はその後、ぽつりぽつりと会話をしながら時間を持て余していった。


唯(矢吹……何気鬼畜……)







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