crazy for YOU
□Let's ぱーてぃー☆ 《後編》
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真琴「これ旨ッッ!!」
はるひが地獄の境地に立たされているその時、真琴はローストチキンを大量に口へ放り込んでいた。
真琴「こっちはどうかな〜」
後方で起きている騒ぎになど全く目も暮れない……流石漢真琴様だ。
真琴「タダ飯最高〜♪」
などとまるで中年のオッサンが言うような言葉を鼻歌混じりに言って、料理に手を伸ばした時……
真琴「ッッ!?」
何かが背中にぶつかり、次に来たのは
「ぅわっ、スイマセンッッ!!」
……と言う、聞いたことのある声だった。
料理を取るのを中断し、振り向けばそこには5人程の女性に囲まれてる和希の姿があった。
女性「和希くーんv お姉さん達とお話ししましょう♪」
女性「キャーv 可愛い♪」
和希「や、だからッッ!! 俺ダチ探さなきゃいけなくて……」
女性「や〜んv 顔真っ赤で可愛い〜v」
和希「どわーッッ!?
抱き着くなァァァッッ!! つーか話を聞いて下さいッッ!!」
真琴「…………行くか」
面倒事に巻き込まれるのは至極御免な真琴は、和希に気付かれる前にこの場を去ろうと右足を踏み出した。
男の格好をしているせいか、幸い和希にはまだ気付かれていない。
……と、思われたが次の瞬間
和希「〜〜〜って! お前早川じゃんかッッ!! 助けろよぉ!」
何故こういう時だけ人は勘が鋭くなるのか……不思議だ。
そして、和希の言葉に女性軍団は一斉に視線を真琴へ向けた。
真琴「……な、何だよ?」
真琴には分かった。 自分を見る女性軍団の目が、望月を見る女生徒の目と同じようになるのを……
つまりハートマーク……
真琴「って! ちょっと待てッッ!! アタシは……」
女性「キャーッッv」
女性「この子も可愛い〜っ♪」
真琴の言葉は、耳を突くような甲高い声に掻き消された。
女性「私は和希くんのが好きですわ♪」
女性「私も〜っv」
和希「は、はぁ……」
女性「私はこっちのこの方が好きだわっ」
女性「ねぇ、キミ名前は?」
真琴「…は、早川真琴だけど」
女性「まぁ♪ 真琴くんねv 可愛らしいお名前〜っ」
真琴「アタシは女だっつの! 名前も明らか……」
女性「じゃあ、和希くん♪ 真琴くん♪ あっちでお姉さん達とお話ししましょうv」
真琴「話を聞けーッッ!!」
いくら真琴でも、女性には手を上げられないらしく
↑(紳士だ……)
やりどころのない怒りが会場全体に響いた。