crazy for YOU

□前日
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ここは桜華原家お屋敷


現在時刻5時30分


はるひ「ん〜っ」

ベッドから起き上がり、気持ち良さそうに伸びをするはるひ


就寝時間が21時というはるひは朝もとても早い


はるひ「よっし今日こそ…」


何かを決意したようにベッドから起き上がるはるひ


広すぎる部屋の大きすぎるクローゼットから適当な服を引っ張り出すと、素早く着替える


そしてそこから20m程離れている扉の前まで歩き、手をかけ…


はるひ「今日こそ朝のお散歩〜」


勢いよく扉を開けた…が


優「お嬢さん〜ひとりで何処行きはりますの?」


はるひ「うぇ…おはよ優ちゃん」


優「『うぇ』はないやろ〜? はいおはようさん…」


はるひ「今だぁ!」


優と扉の僅かな隙間から廊下へ出ると、勢いよく走り出すはるひ


それに続いて優も


優「ちょお、お嬢さん待ちぃやッッ!!」


叫びながら追いかけ始める


はるひ「やだやだー! 朝の散歩は私の日課なの!!」


優「それ言うなら『朝の迷子』やろ! とにかく待ちぃ!」


はるひ「いーやっ」


桜華原家の朝は、はるひと優の追いかけっこから始まります。










ここは早川家の道場


時刻は朝の6時


真琴「おい! ほらソコ、もっと声出せッッ」


「ウッスッッ!!」


真琴「声が小せぇッッ!!」


「ウッスッッ」


真琴「よーし、じゃあ今日はこれで…」


『終わり』の言葉を期待して真琴を見つめる練習生15人の期待は…


真琴「走り込み30分して道場の雑巾掛けしたら帰って良し!」


真琴の鬼の様な言葉に見事灰になった…


真琴「んだよ? 文句あんならアタシ倒してからにしろよ?」


たかが中2の小娘に大の男が15人も言いなりになっているのは真琴の馬鹿みたいな強さのせいである


練習生達は小さく溜息をつくと、のっそりと立ち上がった


真琴「さっさとっ!」

『ウッスッッ!!』


早川家の朝は、真琴のスパルタ朝練から始まります。













ここは南野家


何処にでもあるような普通の住宅の、普通ではない部屋…


上半身裸の…いや、海パン姿の男性キャラクターのポスターが所狭しと張り尽くされている唯の部屋である


現在時刻9時


唯「むにゃむにゃ…ウヘヘ…甲斐くぅん…」


唯はまだ完璧に夢の中…


父は既に仕事に行き、一番の強敵である母も今日はパートの日


こんな日の唯の朝は…


唯「…ウヘv」


母がパートから帰ってきた瞬間に訪れます。






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