crazy for YOU

□ペナルティー
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真琴「おい猫被りに天パ」


唯と別れた真琴は、帰り道が違うはずの千架と祐輔をひっぱり再び校門の前に戻ってきていた。


千架「ん? 何かな早坂さん? 僕これから用事あるんだけどなー?(爽笑」


祐輔「きゃー早坂さんに殺サレルー」



──バキィッッ



真琴「いい加減にしねぇと、どタマかち割るぞ」


ちなみに今の効果音は千架と祐輔を殴った訳ではなく、真琴が校門の塀をかち割った音である。


少しくらい車がぶつかっても大丈夫なはずのそれは、真琴の拳の形に大きくへこみ、沢山のひび割れを起こしていた。


千架「……言いたいことがあんなら暴力の前に口使えよ。 桜華原よかはマシな脳味噌も持ってんだろ」


真琴「じゃあ言わしてもらうけどな! お前ぜってーウチ等に隠し事あんだろ! はるひに対する態度ももちろんだけどな、最近おかしいんだよお前!」


千架「……!」


真琴「別に全部洗いざらい話せなんて言わないけど、それでもお前ははるひに対する態度は『桜華原』知っても変えるつもり無いって言ったよな?」


千架「──またそれか」 


真琴「男がグチグチ抜かすな!」


千架「チッ」


真琴「それと天パ!」


祐輔「久しぶりに聞いたよそれ」


真琴「えぇい黙れ! お前も千架とはるひの事何か知ってんだろ! 『8年前』っての、ウチは演技だなんて思ってないからな! 何か知ってんなら……ウチはまぁ無関係だからアレだけど……はるひには言ってやれよ! それがアイツのトラウマ解く鍵なら尚更だ!」


祐輔「……うん。 そうだね。 けど俺は、早坂さんが関係無いなんて思ってないよ」


祐輔はそれを皮切りに、腰掛けていた花壇から立ち上がると「うーん」と気持ちよさそうに伸びをした。


祐輔「それに、俺が知ってるのは俺の主観だし、千架は……関係無いことだよ」


千架「祐輔お前やっぱ──」


祐輔「だから、千架ちゃんは関係無いことでしょ……第三者の俺から見てだけど」


真琴「だからウチを置いてくなって──」


祐輔「まだ駄目だよ」


真琴「……は?」


祐輔「じゃあね」


目が点の真琴に、祐輔は飛びっきりの微笑みを見せると、驚くほど素早く帰路について、角を曲がってしまった。


真琴「──んだよ! ってか望月まで居ないし!?」


そして祐輔に紛れていつの間にか千架まで帰ってしまったらしく、校門前には怒り狂った真琴だけが取り残された……。




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