crazy for YOU
□ペナルティー
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学校も少し前に下校時間を迎え、夕陽の沈む中はるひはいつもの通り優の車で家に向かっていた。
はるひ「うーん……」
優「……お嬢さん?」
いつもなら優が声をかけずとも自分から今日の出来事を逐一報告してくるのがはるひなのだ。
優は何故か難しい表情で首を捻るはるひを変に思いそっと声をかけた。
優「何をうんうん唸っとるん? あ、テストで悪い点でも取ったんやろー……あーあぁ家庭教師の林さんにまぁた──」
はるひ「テストなんか受けてないもん、優ちゃんの馬鹿」
優「な……お嬢さんに馬鹿言われるほど頭悪くないわ!! ──やのうて……ホンマどうしたん? 元気印のお嬢さんがそれじゃあ皆心配するやろ?」
はるひ「うん……でも……」
優「俺にも言えん事?」
はるひ「…………」
優「OK、ええよ、無理して話すことも無いやろし」
はるひ「優ちゃん……」
優「俺にも言えんくらいの悩み抱えるくらいお嬢さんは大人になったっちゅー事やんな?」
はるひ「大人……?」
優「自分で考えよういうんは良ぇ事やで」
優は微笑みながら、それだけいうと、ポケットから白いジッポを取り出し、くわえていた煙草に火をつけた。
優「ほな今日は、家庭教師なんて堅苦しいのはサボってパーッとドライブでも行こか? 晩餐は……マックでどうや?」
はるひ「ま、マックってあの……!?」
優「ごっつ身体には悪いから、今日だけやで? 旦那様には内緒な♪」
はるひ「わーいっ! はるひね、ハンバーグ入ってるやつ!」
優「いや……大抵入っとるわ」
こうして優とはるひは、車をUターンさせて、楽しげにドライブを始めた。
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