crazy for YOU

□ペナルティー
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──生徒会室


和希「ちーかー、おーい……ちーかー!!


はるひ達が自分のクラスでゴリに涙を流させた頃、和樹と祐輔……そして千架は当たり前のように生徒会室にいた。


いつもと同じ光景……だが、その様子はいつもと大分違っていた。


毎度のごとく和希はゲームに勤しみ、祐輔は生徒会長の立派な机で眠りについている。


──ここまでなら、いつまで通りなのだが……


千架は窓から遠くの空を、死人のような生気の無い瞳で見つめている。


いつもは行き過ぎだと言っても過言ではない実力行使に出てでも2人を止めるはずの千架が、何もせずに日和見の爺様みたいに空を眺めている。


これにはさすがの和希もゲームをほったらかしにして、心配の瞳で千架に声をかけていた。


まぁ、それでも千架は無表情のままなのだが……。


祐輔「……何? 恋患い?」 


やがては面倒事は極力放っておく主義の祐輔まで体を起こした。


千架「…………」


それでもやっぱり千架は何を考えてか遠くを見つめている。


祐輔「何この人。 キモチワルイ」 


和希「なんで最後片言なんだよ!?」


祐輔「うん、千架のツッコミ期待したんだけど、和希が邪魔だった」


和希「ひ、」


祐輔「『ひでー』は無しね。 そんなワンパターンだから投票数ダントツ少ないんだよ」


和希「──っ!! お前祐輔ぇ!! に、人気者に俺の気持ちg」


はるひ「千架ちゃーんっ!! 祐くーんっ!! 和ちゃーんっ!!」


真琴「うぇ、案の定全員居るし」


唯「生徒会室って言ったらこの面子っしょ」


祐輔「おはようはるひちゃん、早坂さん、南野さん」



和希「……俺の数少ないセリフが…………!!(泣)」



祐輔「名前、忘れられてなかっただけ良かったね」


こんな賑やかすぎる女子の登場を終えても尚、


千架「…………」


やはり千架は変わらず黄昏ていた。


はるひ「窓の外何あるのー?」


そう言って千架の横にベッタリくっついて窓の外を眺め始めるはるひにさえ何のリアクションも無しに、千架はぼーっとしている。


真琴「何だアレ


和希「今朝からずっとあーなんだよなー。 何言っても反応しねーし……」


真琴「……うわキモ。 ──とりあえず妄想引き剥がすしか無いよな……」


和希「っつーか、千架の妄想って……」


唯「え、あの人妄想するんだ」


祐輔「千架ちゃんヘンターイ」


はるひ「え? 千架ちゃんヘンタイさんなの?」


千架「……は? って桜華原!?」


はるひ「えへへー。 おはよう千架ちゃん」


真琴「何の妄想してたんだよ変態が」


唯「っていうかさ、望月って妄想しなくても女子選び放題じゃん」


千架「早坂と南野……全員揃ってんのか……っつーか南野、俺はそこまで悪趣味じゃねぇ」



和希「悪趣味って……コノヤロォォォオオ!! モテるからって……モテるからって!!



千架「事実だろ。 どこが良いんだあんな喚くだけの女子ども」


唯「や、確かに事実だけどさ──」


はるひ「そっ……そんな事言っちゃダメだよ!! みんな千架ちゃんの事大好きなんだもん!!」



千架「……またお前は。 第一俺のこと上っ面しか知らないくせに、好きだのどうの言えるその考えが理解出来ないだろ」


はるひ「好きだもん!!」


千架「………………はぁ?」


はるひ「好きだもん!! 大好きだもん!! はるひは千架ちゃんヘンタイさんでも千架ちゃんの事大好きだもん!!」


千架「……はぁ!?///」


はるひ「真琴もね、唯もね、千架ちゃんの事大好きだよー。 ねー?」



唯「結局そういう事……ww。 まぁ、嫌いだったら来ないし」


真琴「あたしは嫌いだ。 ……猫かぶりよかはましだけどな」



はるひ「ねー?」


千架「ガキか」


祐輔「千架、はるひちゃんだよ?」


和希「お、俺もビビ、ビビった……!! マジでこん中でリア充完成かってヒヤヒヤしたっつの」



はるひ「え? りあじゅー?」


和希「……いや。 そんな真っ直ぐな目で見んなよ。 一人飢えてる俺がおかしいみたいじゃんか」


和希が冷や汗流しながら、はるひから顔を背けたとき、その瞳に写り込んできたのは──



真琴「オイ腐れチビ。 はるひに下手な知識与えてんじゃねぇよ。 そういうのはあたしの楽しみなんだよ


祐輔「和希……(にこー)」



タイプは違えど鬼のようなオーラを振りまく真琴と祐輔だった……。


和希「……サーセン」







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