志波
□君の声
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自分の思いを告げたのは一体いつだったんだろう。
ずいぶんと前の話だけど、今でも鮮明に覚えてる。
貴方と二人の帰り道、手をつないで笑いあって。
ふとした沈黙を破るように、私の口が開いて。
伝えた思いがそこにあった。
目を見開いて驚いて、それから照れてそっぽを向いた貴方を今でも忘れられない。
返事をきく前に、あなたとは離れ離れ。
私の引っ越しには、あなたは別れを告げることもなかった。
貴方にまだ同じ気持ちを抱いてる
そう言ったら、貴方はどんな顔をするの…?
きっと答えはもらえない。
貴方はいつもそうだから
優しさは罪になる。
私に対しての親切は、どうやら罪に近いらしい。