Vestigial snow-なごり雪-

□敵
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「そういえば名乗ってなかったですね。
僕は白っていいます。」

白くてキレイな少年は
そう言って笑った。
それは、

とても綺麗で

とても儚くて


何故だかまた私の
胸を締め付けていた.

「私は、凛.…よろしく」

「ふふっ。
初めましての挨拶ってなんだか照れますね」

白がはにかんで笑う.
その表情には
先ほどの儚さは
見えなかった.



「あ
そこにいる大きな人は
再不斬(ザブザ)さんです。
ホラ、再不斬さんもっ」

「ぁあ?!チッ.面倒くせぇな.
再不斬だ.
俺の邪魔をするなら…斬るぜ.」

凄みのある声で再不斬が言った.

「よろしくな!再不斬!!」

言ってしまって、気付いた.

この世の中で

【鬼人、再不斬】に向かって

タメ口を訊けるのは

私だけだってことを.





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