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□金魚鉢の中が海だと思った
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今日の高杉はいつもと違うと山崎は気づいた
髪に手をやったり、煙草を吸う回数は妙に多い、それに目つきはいつもより鋭く冷たかった
仕事のせいか人間観察をしてしまう
どうしていつもと様子がおかしいのか山崎は尋ねた



「あの、どうかしたんですか?いつもと様子が違うし…」


「別に…」


「俺じゃ頼りないですか?」



寂しげな視線を下に向ければ高杉は紫煙の吐息を吐いた



「何で遊郭なんかにいた」



その場をまさか見られてたとは思わず、山崎はばつの悪そうな顔をした



「調査ですよ。副長に頼まれて」


「似合ってたぜ?女装姿」



高杉は嘲笑し山崎はというとその反応に怒った



「俺、気分悪いんで帰ります」


「まぁ待てや」



高杉は山崎の傍に行き、深い口付けをした
山崎は口に手をあて頬を紅潮させた



「何するんですか高杉さんのけだもの!」


「ほォ、言うじゃねェか」



高杉はこの状況を楽しみ、山崎の隊服の中に手を入れ腹部を人差し指で遊んだ



「っ、…いい加減にしないと俺、怒りますよ?」


「こんな事ほかの奴にされたんだろ?こんな風に触られたり、結局男なら誰でもいいんだろ?監察さんよォ」



まさかそんな言葉を聞くことになるとは思わず怒りで頭が真っ白になった
山崎は高杉の腕を掴み、無理に引き離した



「俺、帰ります」



高杉は帰ろうとする山崎の肩を強引に引っ張り口付けをすれば、次には高杉の頬に赤い痕ができていた
山崎は高杉に対し幻滅し走って隠れ家から出て行ってしまった



「どうせ刀を交える仲だ、嫌いになりゃいい」



そうは言ったものの、まさか自分の不器用な嫉妬心がこんな事になるとは思わなかったらしいやり場のない怒りをどこに向けようか解らなかった









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