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□僕は君の大切なものの中に入りますか?
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「おい山崎、これやるよ」
市中見回りの途中で土方は言った
山崎は車を道端に一旦止めて土方の方を見ればそこには可愛くラッピングされた小さな箱があった
「どうしたんですか?それ」
「何度も言わせんな。お前にやるよ」
「本当ですか!?」
山崎は子供のように無垢に笑いその箱を受け取った
中には山崎みたいに髪が短くてもつけれる黒薔薇の髪飾りが入っていた
「ちょ、これどうしたんですか?」
「女装の時にでもつけたらどうだ?」
「本当に貰っていいんですか?」
土方は照れ隠しのつもりなのか窓を開けて煙草に火をつけた
「大事にしますね!」
そう言い山崎は今髪飾りをつけた
「・・・」
「どうかしたんですか?じっと見て」
「いや、何でもねぇよ」
土方は満足そうな笑みを外に向けた
黒には誰にも染まらないようにという土方の思いが込められていた
山崎が自分に染まらないなら他の奴にも染まらないようにと
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