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□日常
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「俺だね……」
「よくできました。……でもまあ、私はうれしいの、これでも」
「なんで?」
「心配してくれたり、やきもきしてくれたりやっぱりうれしいじゃない? 私のこと好きなんだなって分かるから」
「好きだよ。そりゃ告白したの俺だし。そりゃ心配でしょ? サクラ、サスケ好きでしょう?」
「そうね、好きよ」
「知ってるけどさ」
「あなたのことは愛してる」
口に出してはみたけれど、サスケのことだって愛しているに近い。ナルトに対してもそう感じる。
特別なのだと思う。
自分の弟子たちだって愛しいし、言葉にするとひとつだけれどすべて別の種類で、どれももう二度と失いたくない。
守れる強い自分でいたいとサクラは常に思っている。
「カカシさん」
「なに?」
「照れてるの?」
「なんで?」
「手が止まってるから」
「見惚れてるの。俺の奥さんきれいでかっこいいよね。愛してるよ」
思わぬ反撃にサクラが数秒、ぼーっとカカシを見つめた。
「……駄目だ。言われるとたまらなく恥ずかしい」
「でしょう? もうびっくり。ま、言うのも照れたけど。それで、小さいのはどうしたの?」
「小さいのはヤマト隊長と任務で帰りは今日の午後。カカシさん、起きる頃には帰るんじゃない?」
「……早めに寝るわ、俺」
「そうね。その方がいいかも」
ヤマト隊長という呼び名がサクラから、なかなか抜けなかった。ヤマトがサクラとカカシの長子を含めた三人を弟子にしたのは今年の春のことで、二人の子供であるせいかチャクラのコントロールがずば抜けて優秀だが知識が先走るところがある。
ヤマトの堅実さが上手く伝わればそんなところも薄れていくかもしれない。
「サクラの予定は?」
「日帰りDランク予定。夕方には戻るわ。カレーあるから遅かったら先食べてね」
「わかった」
サクラの研究により多数のスパイスが調合された薬膳カレーは美味しい。
ひとり暮らしの長いカカシもオリジナルのカレーレシピを持っているがあれには勝てないと思っていた。
朝食を片し、玄関先で行ってらっしゃい、行ってきます、と軽い抱擁。
カカシはベッドへ。サクラは任務を貰いに受付へ。
平和と幸福を噛み締めて二人は生きていた。
あたたかい日々に感謝を。