夢
□うつつ
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何度も目が覚める浅い眠りの中、カーテンの隙間から漏れる光で時刻を推し測る。
最初に目が覚めたときここが里の病院で自分がまだ生きていることを知った。
一瞬、あの意識が遠くなった森の中でみている夢か、死に際に走馬灯体験をしているのではないかと考えたが、洗濯したばかりのシーツの匂いと忙しくたち働くひとの気配にまぎれもなく現実だと覚った。
私は襲い来る眠気に抗えずナースコールも押さずに目を閉じた。
次に目が覚めたとき、右腕が点滴に繋がっていて、痛み止めの薬も混ざっているのだろうか、受けた傷がまるで痛まなかった。
痛い方がいいのに、と思う。
自分の生死をいち速く自覚出来るし、きっとこんなに眠くない。
任務は達成されたか気になりながら私はまた眠ってしまった。