story
□洗濯
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現在時刻、朝6時…
まだ薄暗い闇と部屋の中、六の怒声が響いた
「ムラサキ! お前、俺の赤褌どこにやった!?」
朝も早くから響いた怒声の内容…
それは、褌―所謂、パンツの事で
その怒声を聞いたムラサキは呆れ顔で六に言い放つ
「今、洗濯したよ
そんなに大事なものなら枕元に置いときゃいいのさ」
ムラサキの言葉に少しばかり苛立った六は食ってかかった
「お前が俺に聞かずに洗濯するからだろ!」
そんな六の怒りを無視し、ムラサキはある物を六に差し出した
「はいよ、代わりにこっちにしな」
ムラサキが差し出した物…それは、自分の名前が刻まれている白い褌だった
「これなら、名前が書いてあるから無くさないし、洗濯されることもないだろ?」
あたしってば流石! なんて笑いながら朝食の準備の為、ムラサキは台所の方へ消えていった
「…………」
掌に褌を乗せたまま呆然とする
だが、その顔には笑顔が…
「まぁ、こんなんもいいか…な?」
end.
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