短編

□break☆break
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『break☆break』

「ねぇ白石、私思ったんだけど」
「なに?」
「白石って私のこと好きなんじゃない?」
「は?」
「だって白石、2年までは彼女取っ替え引っ替えだったんでしょ」
「と、取っ替え引っ替えて!ちゃうわ!」
「だって白石、1ヶ月以上彼女居なかったことある?」
「あー…ないなあ」
「ほら!」
「せやかて!取っ替え引っ替えちゃうわ!一人一人と真面目に付き合ってん」
「別に不真面目に付き合ってたんだとは思ってないよ。
 でも次々付き合ってた白石が3年の5月に後輩の子と別れて以来彼女作らないなんておかしいじゃん」
「おかしないわ。ちょお休憩してんの」
「ふーん、休憩」
「ん。休憩」
「その休憩ってあとどれくらいで終わるの?」
「せやなあ、あと2ヶ月半くらいやな」
「えらく具体的じゃない?何かあるっけ、2ヶ月半後」
「あるやん、あきら」
「えー?2月でしょ?白石の誕生日は4月だし…え、バレンタイン?」
「ん。あきらくれへんの?くれるやろ?」
「いえいえご休憩中の白石さんのお手を煩わせるわけには行きませんよ」
「いえいえ本村さん。何言うてはるの。眠れる獅子を起こすチャンスですよ」
「はいはい。じゃぁ眠れる獅子さん、私謙也くんに初詣誘われたから行って来るわね、おやすみ」
「アカン!」
「…何で」
「何ででも。行ったらアカン」
「…じゃぁ言ってよ」
「あきらから聞きたかってんもん」
「私だって白石から聞きたいよ」
「せやかて…俺告白とかしたことないし」
「何それモテ自慢?」
「ちゃう」
「じゃぁ良いよ。謙也くんはちゃんと誘ってくれたもん。バイバイ」
「ああぁ!アカン!アカンて!あきら待ちや!」
「…」
「待って待って!あきらちゃん待って!」
「何?」
「ごめん、ホンマごめん。今までウヤムヤにしてて」
「うん」
「俺の気持ち分かってるやろ?」
「…多分」
「せやから、ええかな思っててん。言わへんでも伝わってるし、一番傍に居てるし」
「うん」
「けど…アカン言うことやねんな?」
「うん、聞きたい」
「分かった。はぁ、言うで」
「うん」
「あきら、好きや。待たせてごめんな。俺と付き合ってや」
「うん。本当、遅いよ…」
「ん。ごめんな」
「うん。…じゃ、謙也くんは断るね」
「や。断らんでええで」
「え?」
「行くよ言うといて」
「え…良いの?…て言うか私白石と初詣行きたいんだけど」
「それは俺も。せやから俺も行くで。せやけど謙也には教えんといて」
「えっ…どうして」
「俺の知らんとこであきらのことこそこそ誘った罰や。
 二人きりや思ってるとこに手ぇ繋いで行ったるねん」
「白石…」
「しゃーないやん、あきらは俺のモンなんやって思い知らせたる」
(ごめんね…謙也くん…)
 up 2009/12/30
 
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