Long
□境界線
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彼がミルス・クルアを去って半年が過ぎた。その間、会えたのはたったの1回。それが限界なんだとわかってはいるけれど、寂しさと不安は募る。
…これからの私達はどうなるの?
その問の答えは、まだ見つけることができない。
――私も、彼も…
「お帰りなさい、ルル。ラギさんから手紙が届いてるわよ」
授業を終え、寮の部屋に戻ると先に帰ってきていたアミィがふわりと笑って教えてくれた。
「…うん、わかったわ。ありがとう」
いつもだったら飛びつくように手紙を開けるのだけど、あんな話を聞いたあとだと開けるのが躊躇われる。
「…どうしたの?」
そんな私の様子にアミィが心配そうに尋ねてくる。
「うん、ちょっと…気にしないで」
机の上にある彼からの手紙。見馴れた意外にも綺麗な筆跡に胸が締め付けられる。
このままじゃいられないことは、きっとお互いが1番よくわかっている。
「ちょっと出掛けるね」
私は手紙を持って部屋を出た。