連載

□リンとレンとお料理教室
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『準備はいいか、諸君。』
「エプロン装着しました隊長!」
「装着しました隊長!」
『ぃよーし行くぞ野郎共!』
「「(野郎共!?)」」



今日は私はこの二人の先生…いや隊長だ。
ご飯の支度を手伝いたいと言ってきたので、基本的なメニューから教えることになったのだ。


『現時刻を以てこのキッチンは戦場だ!』


ばん!とテーブルに両手をつくとソファのカイトがびくっとして振り向いた。



『今日の敵はグラタンだ。リンはキノコと人参を、レンは鶏肉と南瓜を殺るんだ。私は…ホワイトホースを。』
「一人で…?」」
「あんな強敵を…!?」
『大丈夫。安心して自分の任務にかかれ!』
「「いえっさー!」」


「…ねぇあれどうしたの?」
「俺にも分からない…」




「南瓜、切りにく…!」
『レン、ちょっと代わって。』
「あ、うん。」
『これは敵だぞ…もっと、こう…殺す気で行かなきゃダメよ!』
「こ、殺す気…?」
『いい?狙いを定めて振りかぶり…あいきるゆうぅぅぅ!!』


ずだんっ


「(こわっ)」
『よし、続けて。』
「う、うん!(目がやばかった)」



さてと。
むぅ…ホワイトホースの味が何かこう、足りない。
もうちょっと生クリームを…


ばちゃっ


『ぎゃああっ』
「「隊長!?」」
『ぶわあああっつ!これ、げほっホ、ホワイトホースが…反撃を…!』
「早く拭かなきゃ火傷するよ!」


ずるっ
がつんっ…


『うぎゃあああ!いった…痛いぃ…』
「何してんの!?」
「レン、マスターが滑って頭打って…」
『も、もうダメだ…わ、たしは…』
「「ますたあああっ!」」


あ、ちょ、まじで痛い…
…おいカイト、さっきから…そんな顔で私を見る、な…

※そんな顔→(´д`)


「あれ、マスター?マスター!」
「ちょ、この人意識ないよ!?兄さん達!マスターが!」










『んぅ…ん、けほっ…』
「あ、起きた。」


目が覚めるとベッドの上にいた。
脇には目を細めたカイトが座っている。(目ぇ合った)
あ、私そういえば…


「マスター、」
『はい…』
「興奮し過ぎ騒ぎ過ぎ!挙げ句に滑ってシンクに頭を強打して…意識飛ばして!ホントになにやってんですか心配しましたよ!」
『ご、ごめんなさい…』
「リンもレンもあんまりマスターを調子にのせないこと!」
「「はぁい…」」




かくして、
まさかのホワイトホース敗北事件の後、私はしばらくキッチンに立つことを許されませんでした。

…は、反省してますよ…。










:END




────
何かやらかしそうな3人をずっと見ていたカイト(とミク)でした。


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