連載

□みんなと過ごす終わりと始まり
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「まーすたー、熱計った?」

『ん、うん。6度5分ー』


12月はあっと言う間だ。
「え、まじでか!」と言う暇もなかった。
街中がイルミネーションでキラキラと輝いてクリスマスがやってきて…
終わったらもうお正月モードだ。

…私はクリスマスに友達と遊び倒してから体調が悪く、薄着で年賀状を出しに行ったら風邪をひいた。


「下がったね。」

『でしょ?ミク、じゃ、今からでも皆で神社に…』

「だめ。」

『う、でも、』

「だめったらだめ!熱が下がったからって弱ってることには変わりないんだから。」


うちの子たちは心配性だ。
私はもう平気なのに。
…それに、あー、もう無理だ、この時間じゃ…


「そーだよ!大人しくしてよう?炬燵あったかいし…ほら、私のむいたみかんあげるから!」

『あ、ありがと、リン。』

「マスター、お茶どうぞ。レンは?何も飲んでないけど。」
「おれは平気。ありがと。」

「…マスター?」

『……へ、あ、お、お茶おいしいよカイト、ありがとね。』

「や、そうじゃなくて…なんか元気ないなぁって思って。」
『そんなことないよ。』

「あ、下むいた。僕を騙せると思ってるの?」

「いやーマスターの嘘はおれでも分かるよ。」


わ、私ってそんなに分かりやすいかなぁ。


『…あの、だってさぁ、皆でさ、神社でカウントダウンしたいって言ってたでしょ?…ごめんね、私のせいで…』


私がそう言うと、皆は不思議そうに顔を見合わせた。
レンが、何だそんなこと!と言って笑った。


「確かにそんなこと言ってましたけど…取るに足らないことですよ。
そんな、神社じゃなくたって皆で年越しできるじゃないですか。
あなたと居られれば、それで十分です。」


「そうだよマスター!」

「もちろんだよ、ほらそんな顔してないで。(ちっカイ兄に良いとこ取られたな)」

「ほらマスター、ティッシュ。」

『う、ありがと皆あぁぁズビー!』


ああ、私って幸せ者だよね。
また来年も君たちと過ごせるなんて。
これから先も、ずっとずっと、皆で、


『あと2分…』

「いろんなことありましたね今年も…」

「楽しかったなぁ…来年も楽しくなるよね!?」

「お、おれに聞くなよ。なるんじゃないの?」

「来年はカイ兄解雇…」

「なんだと!?」


カチッ…


あ!

いっせいに顔見合わせて、
全員の口元にじわじわと笑みが広がっていく。



時計の針は12時。

私たちの新しい年が始まった。



『皆、今年もよろしく!そんで、いっぱい歌おうね!』











:END




────────
ずっとずっと、君たちと、


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