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□暇潰し
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僕は並盛中の見回りをしていた。
「クフフフ…」
突然、笑い声が聞こえた。
『……六道骸?』
声だけでわかったよ。
「良くわかりましたね。」
そういうと、六道骸は僕の前に姿を現した。
『何しに来たの』
素っ気なく言ってみる。
本当は凄く嬉しい。
何だろう…
この気持ち。
顔がほんのり熱い。
「雲雀恭弥。
どうしたのですか?
顔が赤いですよ?」
僕の顔を見てクフフ、と笑う六道骸。
『うるさいよ、六道骸。』
僕がそう言ってトンファーを出そうとしたら、六道骸に抱きしめられた。
「…"骸"と呼んでください。
僕も"恭弥"と呼びますから。」
六道骸は僕の耳元で囁く。
『………ッ//
嫌だよ』
僕は必死でもがく。
「呼んでください。
一度だけでも。」
更に僕を抱きしめる骸。
『…むく、ろ…ッ//』
思わず骸を抱き返す。
「何ですか?」
骸は小さく首を傾げる。
『……好き//』
何時の間にか呟いていた。
「………」
骸は僕の身体を押して、後ろを向いてしまった。
言わければ良かった。
骸…。
その行動は、嫌だという事だね…。
何だろう…
目の奥が熱い。
頬に伝う、一筋の涙。
「恭弥!?」
涙を流す僕に、キョトンとする骸。
『…ごめんね…。
君の気持ちを知りもしないで…』
「えっ…あの、何故泣いているんですか?」
何を言っているんだろう。
わかってるはずだよ。
キミハ ボクヲ
スキジャナイ。
ダケド ボクハ
キミガスキ。
次から次へと流れる涙。
止まらない。
「恭弥…あの…」
『な、に?』
僕が顔を上げた瞬間、唇に何か触れた。
僕の唇は、骸の唇と重なっていた。
触れるだけのキス。
「どうして泣いているんですか?」
僕の肩を掴む骸。
『君が…僕を嫌いだからだよ。』
目を潤ませる僕。
「…は!?
何言ってるんですか!?」
骸は僕の応えを聞いて唖然としている。
『…僕の事、嫌いじゃないの?』
「そんなはずないでしょう?
寧ろ大好きですよ。」
骸の小さな笑顔が見えた。
『じゃあ…
どうして後ろを向いたの?』
僕は質問攻めする。
「そ、それは…」
骸は何か言いにくそうにしていた。