山土

□銀食器を磨くのは執事の義務であり特権なんだっつーのよ
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胸ぐらを掴まれるのはわりと茶飯事だ。
とくにこの瞳孔の開いちゃった黒い人とか。
レディオブゴリラに次ぐ遭遇率。
「なにしてやがる銀髪」
うさんくせぇ。
「何もしてませんけど」
「フカシてんじゃねーぞ、コルァ」
「近いでーす」
いつもなら、この辺りで助けが割って入ってくるのに。
「ジミーは?」
思わず口に出すと
「ぁあ!?」
あらら、なんか失敗しちゃったよ?
鬼の副長の瞳孔がますます小さくなる。
人間は
好ましいものを見るときは瞳孔が大きく、好ましくないものを見ると瞳孔は小さくなります。

小さいとこしか見たことがない。
「大串くーん、そりゃちょっと言い掛かり過ぎなーい」
銀さんホント歩いてただけだから。今日は窓も開け放たれてないし。
冷ややかな視線が、銀時の下半身に降りる。
「スケベ」
「あぁぁん?」
ますます喉元を締め付けられる。
「ちょっ。なに今日はマジ?ちょちょちょ、山口くーん!?」
君の上司が暴走してますけど!
盾を召喚しようと叫んでみるが、気配もしない。
アレ?山田くんだったっけ。
「土方さーん。そろそろヤバイですぜぇ」
それっくらいにしときなせぇよ。
路地の入り口から、もう一人黒い人が顔を覗かせる。
こちらは腹も黒い、正真正銘の黒い人だ。
「おいおいおいー?総一郎くん、なに他人事にしてんの!きみの上司が不祥事。止めとけ〜」
「総悟です、旦那。大丈夫。そんときゃァ、俺がセキニン持って土方の野郎をぶちこみやすぜ」
むしろ大歓迎です。
「ごちゃごちゃウルセェぞコルァ!」
土方が総悟にむかって、怒鳴り付ける。
「すいやせん旦那。土方さんはアノ日なんでさぁ」
「どの日だ、ボケェ!ねぇわ!」
「ああ〜。あれか。ぴー…、PSスリー?」
「PMSだろーがよ!」
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